「愛と公平」の師     寄稿者 スカイ・ブルー

同世代の汎美さんは何事にも長けておられ、私を妹のように大切にしてくださる方でした。
彼女が晩年に住まわれた施設に、М先生と何回も訪問聖餐式にご一緒致しました。

ある日、汎美さんはご夫君の話をされている最中に涙が止まらなくなられ、彼女の腰掛けられていたベッドには、何回も鼻をかまれたテイッシュペーパーが散乱しました。私は胸が痛くなり、声をあげて泣きそうな自分を堪えるのに精一杯でした。

その時、М先生はサッサッとさり気なく一箇所にティッシュペーパーを集められ、静かな優しい声で申されました。
「お祈りして良いですか?」

感謝の涙の中で汎美さんの背を撫でながら
─いま、此処に神が共に居てくださる─
と、先生の温かさが身に沁み込んでいくのを感じました。

あの部屋のあの三人の姿が今も目の底に鮮明に浮かびます。
                 (М師召天一年記念日に)

2021年02月27日