エリザベス2世96歳で死す   寄稿者  旅女

9月8日、エリサベツ女王死去を知ったが、これほど驚いたことはない。2日前にはトラスさんを新首相に任命したばかりだった。ご高齢だからロンドンの宮殿では無理だったのだろうとは想像していたが、あまりに急だった。死は突然にやってくるのだ。生と死の境に曖昧はない。女王はご自分の使命に生き抜いた。任務を全うするとはこういうことなのだろう。

驚いていることは、その葬儀の様子とスピードである。次の国王が即刻即位した。「チャールズ3世」として、内外に存在を示した。喪服姿ではなくいつもの服装?で。日本のことを思うと唖然とするばかりである。実に実質的だ。すぐに仕事にとりかかれる。公人とはこういうことなのだろう。長い歴史の中でできた習慣なのだろうが、驚くばかりだ。お葬儀も「国葬」がわずか10日後に決まった。その準備もすでにできているようだ。プログラムがあるのだろうが、いつでも起動できる体制ができているのだろう。

さらに驚くことは、聖堂に安置された棺を一般市民が見られることだ。今、それがスコットランドのエディンバラで行われている。ロンドンでは葬儀会場ウエストミンスター寺院にも市民近づくことができる。そうした一連の行事を興味深く観ている。それぞれの国の文化、事情、習慣の違いに惹き付けられる。

ロンドンでの様子も放映されるのだろう。人様のお葬儀を楽しんでいるようでまことに不謹慎だが、いろいろ観てみたいと思う。

まったく別の話であるが、娘たちが大学生だった時、イギリスへ旅したことがあった。私的な旅行だった。スコットランドのホリールード宮殿の前で写した写真がある。バッキンガム宮殿の門扉の前でも写真を撮った。ウエストミンスター寺院内へは入ったと思う。郊外に広がるなだらかな丘で羊たちが群れているのをこれが現代のことかと驚いた。無責任な観光客であった。おいしいところをつまみ食いしたのだろう。

今年はイギリスについて、とくにイギリスの文学を学び作家、作品に触れたいと思い立ち、学びを進めている。関係書を読むだけであるが。どこの国もそうであるが、特にヨーロッパの国々はアジアをはじめ他国に侵入し植民地として残虐非道の限りをしてきた。そうした闇の出来事を知ると、怒りがこみ上げ不快になる。話が大いに逸れました。

エリサベツ2世は個人の意志には関係なくその国に生まれ、女王になった。70年間も在位した。計り知れないご苦労があったことだろう。今、すべての重荷をおろして神様のみもとでホッとされていることだろう。

2022年09月14日