マスクどうする? 寄稿者  なぎさ

5月の風にはスピードがある。勢いがある。爽やかさはたっぷりと残してくれるものの、あれよあれよという間に吹きすぎていく。梅雨に入る前の5月の日々こそ一年中でいちばんうるわしい。24節気では「小満」という。麦の収穫期「麦秋」と重なる。「麦」と言えばウクライナ。世界有数の小麦の生産地である。この戦禍でどうなっているのだろう・・・。

3年目に入ったコロナ禍は下火になったのだろうか。日本ではそのように見える。世界では猛威を振るっている地域もあるが、感染症対策を緩めている国もある。中国のように「ゼロコロナ政策」を強行している国もある。全体的には「With Corona」で進むようだ。

このところ「マスクをどうする」が声高に論議されている。政府がきちんと指標を出せと言う声が大きいが、どんなものだろうか。専門家からも種々の意見が出ているが、明確な線引きができるのだろうか。総じて、屋外で周囲に人がいない場合は外してもよいと言われる。そうした声が政府からも出てくるとその気になってしまう。

周囲を見回すと今のところ行き交う人の誰一人として「ノーマスク」の人は見かけない。小さい子どもまできちんと着けている。見事なほどに。よくここまで徹底したなあと感心する。かくいう私も一時期は家の中でも着けていた。家族と話すときはマスク着装でその上、距離をとった。一緒に飲食もしなかった。

さて、これからどうしよう。「同調圧力」などと、コロナ以来不思議な新語が飛び交っているが、多分に影響されるだろう。絶対にマスクを付け続けますとは言えない一方、全く外すのは大いに抵抗がある。当分は場面で選んでいくことになるだろう。

概してマスクは嫌いではない。好き嫌いの問題ではないが、以前からよく着装してきた。喉が弱いので冬は特に用心のために使った。ある時大病して手術を受けたが、医師からは、免疫力が弱っているからしばらくは夏でもマスクをしてくださいとアドバイスされた。一年ほどは忠告に従った。コロナ禍でそのころを思い出した。高齢になってきたので、たぶん、この夏も、人混みでは手放さないだろう。

2022年05月25日