強制移住とは? 寄稿者  草枕

ウクライナでの残虐行為が今や世界中の人々の目の前で、公然と行われている。一日中、続々と放映される生の映像を、地球上の人たちがみんな見ている。いままでも多くの戦争があったが、こんなに生々しくリアルタイムで見たことがあっただろうか。

身一つで逃げていく人々の叫びや涙が目の前にある。隣にいるような気になる。焼け跡に、火を起こしてお鍋を載せている光景はこの瞬間のことなのだ。ドラマではない、映画ではないのだ。70年前の東京大空襲の時ではないのだ。21世紀の今、この瞬間のことなのだ。言葉もない。

どんなに停戦を叫んでも武器を振り上げている人たちには届かない。みんな知っているのに、見ているのに、だれも止められない。最前線の戦闘員には何も見えないのか、聞こえないのか、少なくとも、死んでいく人たちや自分たち破壊した瓦礫の山は見えているだろう。知っているだろう。それとも、見ても知っても聞こえてきても、彼らにはどうすることもできないのだろうか。

強制移住という言葉に愕然とした。子どもや女性たちを連れ去るという。どこへ?何のために?何のために??。ぞっとする。

2022年03月23日