プログラム人間・・・      寄稿者 付箋

1月も幕を降ろし、早や2月である。相変わらず時のスピードにはついて行けない。競争しているわけではない。ペースに忠実に従っているのみである。このコロナ禍では生活の内容は毎日ほぼ同じである。起床から就寝まで、我ながら実に規則正しいと思う。ある友人は、ご自分を指してコロナ以前からであるが、「プログラム人間です」と笑顔で言われたが、氏を尊敬しているせいか私もだんだんそうなりつつある。時計を見て無理に合わせているわけではない。自然に時のリズムに乗っている。これを習慣というのか。大方の人々もそうであろうが、特にコロナはその一役を買ってくれた。

そのプログラムがだんだん密になってきた。小さなエリヤでの小さな生活なのに、多忙と言えるほど立て込んできた。コロナで自粛が叫ばれ始めたころ、覚悟を決めて、Slow、Simple、Silentと「3S」を強調してみたが、最近はSlowが崩れ始めている。自粛を余儀なくされたころは、どうなるかと一抹の不安と不満があったが、今は充実の日々なので大満足である。友人たちの様子を見聞きしてもそれぞれに工夫しながら楽し気にしておられる。

そういうものなのだろうと思う。人間とは、弱いようで強い。したたかとさえ言える。今、現在が当たり前になってしまった。おそらくコロナが終息してもコロナ以前の生活には戻らないだろう。部分的には復活するものもあるが、おおかたは今のままが続くように思う。それでいいのだろう。半強制的に進路を変えさせられたが、航路は嵐ばかりではなかった。新しい景観に見惚れている。

2022年02月01日