久しぶりの雨です。午後からは本降りになり、道路を打つ雨脚が新鮮に聞こえます。
こんな日は外出を控えて本のページでも繰りましょうと、上げた腰を下ろして座り直しました。
思いがけない詩に出会いました。
今では知らぬ人のいない金子みすゞの小品です。
蜂と神さま
蜂はお花の中に
お花はお庭の中に
お庭は土塀の中に
土塀は町の中に
町は日本の中に
日本は世界の中に
世界は神さまの中に
さうして、さうして神さまは
小ちゃな蜂の中に
みすゞは神さまを蜂の中に見たのだと、説明がありました。
みすゞのいう神さまは、天地宇宙万物の創造主であり支配者である、唯一の神さまではないでしょうか。詩人の感性の鋭さに驚くばかりです。
私も、雨の音の中に、土曜の午後の静けさの中に、神さまを見たいと願わずにはいられませんでした。