あああ       寄稿者 そよかぜ 

庭の雑草取りをした。
夏の強い日差しとたっぷりの雨で、雑草は力強く成長していた。少し気を抜くと一面にはびこってくる。
コロナの後は熱中症、そして猛暑を超えて酷暑と、次々に襲ってくるもの。私は高齢者だからフレイル問題も抱えている。
昔から貧乏性で、絶えず意味のあることがらを重視してきた。今日はこれをやったからよかった、何もやらないで一日が過ぎると物足りなかった。しかし高齢者になると意味のあることを求める生き方が時には息苦しいこともあることに気づいた。でも今日は雑草取りをした。大きなごみ袋いっぱいになったのを見て、久しぶりの充実感を味わった。

「えんどうまめばあさんとそらまめじいさん」は小さな田舎の家に住んでいる仲良し夫婦の絵本だ。二人とも働き者で、朝から晩までくるくると働いている。ところがそのさなかに気になることを見つけるとすぐに次の作業に移ってしまう。そんなことの繰り返しで一日があっという間に過ぎていく。夜寝るときは充実感を得て眠りにつく。少しピントが外れたその生き方はどんなに素晴らしいことか。

松岡享子作のこの絵本をいくつかのところで読んでみたい。「暮らす」ということが大事。いそがしく、たのしくね。という松岡氏のことばは今の私にぴったりだ。
他の人にはどう見えようとも今の私の暮らしはこれだ、と感謝したい。
雑草取りをする日も何もなくただ空を見ていた日も、そして思いめぐらすだけだった日も。
心を動かすこと、それが取り留めのないことでもいいではないか。

2022年08月09日